(新)笑いまみれ・はなこば日記

笑うことを積極的に考える女の日記  旧ブログ→http://blog.goo.ne.jp/hanakoba0506

考え抜いた先のこと

8/12放送の『水曜日のダウンタウン』。

この日の企画は「芸人が今までで一番面白かった瞬間は誰が見ても面白い説」第2弾で、芸人さんに今まで一番笑った瞬間を話してもらいそのVTRを皆で見るというものだった。

インタビューは、
平成ノブシコブシ吉村さん
FUJIWARA藤本さん
ますだおかだ岡田さん
キャィ~ン天野さん
バカリズム升野さん
おぎやはぎ小木さん
と、スター揃い。

各々の面白かった瞬間は
吉村さん→狩野英孝さんが気功の名人を角材で思いっきり的外れに殴っちゃったやつ
藤本さん→バンジーをした原西さんの足が地面についちゃったやつ
岡田さん→元力士安田大サーカスHIROさんの初土俵で後頭部強打
天野さん→出川さんが落ちてくる炊飯器を頭で受け止める
バカリズム→オードリー若林さんの意味不明な号泣
小木さん→オアシズ大久保さんがノーパンで陰部見えちゃったやつ
でした。

ついでにスタジオゲストも話します。
勝俣さんはドランクドラゴン鈴木さんが風呂場で滑って後頭部打つ。
陣内智則さんはブラマヨ吉田さんが水泳大会で見せたスローモーションの顔。

・・・第一弾でも気が付いてたんですけど、今回もそうだった。

というのは、全部ハプニングやないか!

芸人の資質よりも笑いの神様が降りてきた瞬間の話だ。(若林さんのをどう判断するかは議論の余地あり)
こんなにもハプニング並べられると、徐々に顔が「無」になる。個人の好みだけど。こういうのはずーと見ていて瞬間来るから、お!ってなる気がする。

この企画のプレゼンターは出川哲郎さんなのですが、最初に「おいしいものを食べたいならシェフに聞く」のと同じで面白いことは芸人に聞けと言ってました。
違うじゃん。
おいしいもの聞いてシェフが「運動したあとに飲む水」と言うようなもんだよ。
違う?
雪山で遭難して帰ってきて食べたお粥とか亡くなったおばあちゃんがつくった干し柿とか
偶然の状況でたまたま生まれた奇跡。
今ここで食べられたとしても・・・なんとも微妙でしょう。
食べ物と面白いことではそもそも違うんですけど、それはそれとして、全部のVTR(小木さん以外ね。そもそも放送できないし)はハプニング映像、ホームビデオ(からくりVTR・・・って分かる人いる?)のうっかり撮れちゃったやつと変わらない。
おいしいお店を紹介するんだったら、職人としてその資質を認めたというのでないと本来の主旨とは違う気がする。「面白い瞬間」に限定しているから、こういうことになったのか。

考えたのだけど、全員が同じ傾向になるのは演出だけのことではないと思う。
芸人さんは笑いの感覚が行き切ってしまっているため、もう自分たちの想像できる笑いを面白いとは思えないんじゃないかとわたしは疑っている。
笑わせることを生業とするというのは、異常なことだ。
面白ことを求め続けられるって、普通に生きてたら変なことだよ。
しかも面白いことには正解がない。人それぞれ面白いと思うことは違う。
それを仕事にできていることは異常下にずっといるということ。

カライものを食べ続けていると、よりカライ物を食べられるようになる。
これって舌の感覚が麻痺しているのだという。
カライと感じる機能がバカになっているから、より刺激が強いものを食べられるようになる。
刺激的な笑いを求めると、それと同じで「もっともっと」ってなる。

刺激的な笑いの最終系は誰もが予想できないハプニング的なものなのかもしれない。
めったに起こらないし、想像をはるかに超える。
出川さんや狩野さんが芸人さんからリスペクトされている理由もきっと同じだ。

今週の『笑けずり』のテーマは賞レースで勝てる4分漫才だった。
この番組はNHK-BSでやっている芸人テラスハウスみたいな番組です。(全然違うかも)
無名の芸人さんをひとつの家に集めて合宿させ、毎回テーマを与えて、ネタが出来上がるまでのドキュメンタリーを放送。完成したネタに順位を決めて1組ずつ落としていく。講師は毎回、大漫才師(バイきんぐは大コント師)。
大漫才師とはものすごい面白い漫才をする芸人さんのことです。
出てくるだけでその場を制するほどのオーラを持つ漫才師のこと。中川家笑い飯、千鳥、サンドウィッチマン
テラスハウスって言ったのは、ドキュメンタリータッチを大事にしすぎ・・・な気がするから。
面白い人しか、面白いことを生みだす苦悩は見せちゃだめなんだよ。
面白い人もそれを見せないというよ。中田カウスボタン師匠とか。練習している姿を誰にも見せないというよ。出演者は悪くない。製作している人とわたしが合わないだけ。そういうの無粋って思うだけ。
毎回、壁にぶち当たっているのを見せよう見せようとしてくるじゃん。

それはそうと、みんな賞レースを目指してんだよなって思って。こんなふううにウンウン唸って考えて考えて、針の穴のような小さなチャンスをつかもうとしてる。
そこでチャンスつかめても、それでもまだスタート地点にいるだけだ。

それでも最終的に面白いと思うことは、考え抜かれたことではない。
偶然に起こる産物。つまり神の領域なのかな。

考えぬいたからこそそこへ行きつくのかな。

 

笑いの種類はもちろん一種類ではないし、
ひょっとして芸人さんってすごく負けず嫌いで
誰かを特定して面白いとか言わないだけでは?(たぶん違う)とかも考えられるけど、この職業はほんっとにやめといた方がいい!って思った。

『笑けずり』最終回。チャンピオンを生放送で決めるそうだ。

…大丈夫かな。

ちゃんと面白くなるのかい?いつもハラハラするんだよな。

ゲスト講師の他にも今回はトレンディエンジェルとか、ハライチ岩井さんとか、今の活躍を知る実力者の芸人さんが、人のネタをどう見て、どう評価するのかを知ることができるから、そこだけはものすごい良い番組!