(新)笑いまみれ・はなこば日記

笑うことを積極的に考える女の日記  旧ブログ→http://blog.goo.ne.jp/hanakoba0506

 キングオブコント2017の感想

うわー!やったー。やっと書ける。
今年、実況ツイッターをチラ見しながら見ていて、
そんなつもりなく書いている人まで鼻についたという私の体調もあり、
今まで、どれだけの人の鼻に、私は、ついてきただろうと猛省しつつ、
それでも黙ってられない。気持ちがあふれるので書こうと思います。
今は、いろんな芸人さんがラジオや配信で感想を語っている楽しい時期に突入しましたね。

 

1.わらふじなるお
コーリングセンターのネタ。
「最終日だからめちゃくちゃしてやろう」って面白いセリフですね。
積極的に使いたいセリフ。
最後、少し怖くなる。怖いと笑いが同居しているネタって多い。
観客による悲鳴問題はあちこちで言われているのに、今年も。
私は拍手が気になりました。自然に出る拍手ならわかるけど、笑って、しかも手を打つって、意識に演出が入っているように思えます。

2.ジャングルポケット
エレベーター。
面白くてうまい何年か前からジャンポケがどんどん得意になっているタイプのネタですね。
演技力の高さに加え、構成力やワードセンスも入れようとしてきているのが野心的でいい。
好みで言いますと、わたしは二本目が好き。システムより人間。

3.かまいたち
告白を公園で練習。
とてもシンプルなネタで、しかも悲鳴が起こる想定があるのに、
この二人がやるといろんなものを凌駕する面白さ。
同じ設定と展開でありそうな気もするのに、オリジナリティを感じます。
二人のキャラクターが自然だからか、でもよく考えて、おっさんなのに学生役!
底知れない演技力とお笑い能力の高さがわかる。大ファンなので、ついつい絶賛。

4.アンガールズ
浜辺でナンパして荷物なくす。
本当にそれだけの話。悲劇と喜劇が融合した、素敵なネタだと思います。
「なんで俺の荷物なの?」
って泣き出すの、本当にかわいそうで、笑っちゃう。これは田中さんじゃないと。
独特のコメディの雰囲気を持っていて、それを熟知しているのがアンガールズです。
山根さんのやさしさが染みますね。だって水着で帰ると言ってるわけですから。
これはかまいたちもそうだと思っています。

5.パーパー
卒業式の第二ボタン。
演技力でもっていこうということでシンプルなセットだったのでしょうかね。
一個目に笑いが来るはずのところで、うまくいかずに、テンポが乱れたのではないか
と二回目を慎重に見て、勝手に推測しました。
演技派・演劇系は毎年毎年、割と損な点数の取り方をします。
それをわかっていて出すんだよな。賞レース不向きだけど、その壁を突破できるかどうか。
二人は売れかけていると思うので、がんばってほしいです。

6.さらば青春の光
居酒屋。
このネタはじめて見た時に、
一個大きなボケがあってそれを押していくネタが多いコンビなのに、
そのラインのままバリエーションを持たせてきたな
と驚いたものです。
東ぶくろ(改名)さんの違和感のないヤバさが頭に洗濯バサミついているというハプニングさえも変に感じさせず、
森田さんのツッコミのテンポも演技力も安定と貫禄があり、高得点を取れて、バンザイ。

7.にゃんこスター
なわとびの神様。
そんなタイトルじゃないけど。思いついたのでつけてみた。今年の台風の目。
二人のおかげで最高の大会が決定的になった。事前情報で「すごい」と耳に入ってきたけど、かたくなに情報取りにいかなくてよかった。
この日のこのタイミングで衝撃と爆笑をくれたので、幸せの絶頂ですよ、わたしは。この先何年も語り継がれることとなる大事件。
曲を使ったネタというのは、賞レースでは受けにくく、演技派演劇系よりもさらに不向きというイメージだったのですが、壁を破りまくって
やっぱり1本目は縄跳びの技術が完璧で、
それが面白さを増幅。
さらにツッコミと歌の盛り上がりが連動していて、アクセルがぐんぐん上昇。
上昇しきって一度も減速することなく、予想できないオチが決まって、格好良かった。
こちらが笑顔になった瞬間にドン!って終わるの。言葉で説明できない何かがありました。そして最高得点で盛り上がりに盛り上がった我が家です。

8、アキナ
バイト先の怖い人。
効果的な曲のブリッジ。ホラー系のネタと繊細なおかしみがあるネタ。
アキナっぽいニュアンスがあって、ふたりの自然な演技がいいよね。
毎年面白くてこのクオリティということは、コアなファンを取り入れつつ、この道を走っていくのだろうか。
不思議な雰囲気のある二人なんですけど、私的には、もっといいとこ見てみたい!な二人です。
このネタ順だからっていいますけど、たぶんどこに入っても、アキナはブレないと思いますけど、違いますかね。
M-1でまた……可能性あるよ。

9、GAG少年楽団
三角関係。
私が見た彼らのネタのなかでは一番振り切って、出し切っていたように思います。
って、そんなに見てないので、また鼻につくコメントしちゃったでしょうか?
三人の仲の良さがわかるコント。
感無量な感があったけど、結果が振るわなくて残念でした。
私は宮戸さんが能力が高く、素敵な人だと思っているので、
売れてほしいって気持ちが強いです。

10、ゾフィー
母さんが出て行った。
演技、うまいし、いいネタだな。
息子がひたすらご飯のこと考えているのがバカで
リアリティがあるのが不思議。
批判のいろいろはリアリティのせいだと言いたいところですけど、
バカの声が大きいってのも通説ですから、後者の可能性高い。
あと、批判側の声でちょっとわかると思ったのは、
その役をやる変なやつ(この場合、母を飯を作る人と思っている息子)が嫌いすぎて
笑えないってこと。
非常識を笑えないのは、その人がバカだからってことでもないと思うんだ。
真面目なことは罪ではないし。
笑いの上でボーダーをなくすにはどうしたらいいものか。
教育か?それかそれを突っ切るくらいの面白いものが作られるかのどちらかかもしれません。
アメリカのスタンダップコメディで差別ネタが多いのも、
差別がダメだってことから発信している笑いだから、
共感を得たくてマジの差別主義者ってわけでも(全部とは言い切れないけど)ない。
まあ、教育のほうを私はがんばりますよ。

 

勝戦
今年から上位五組が二ネタ目ができます。なんでやねん。チャンス増えてんじゃん。
点数の低いコンビから。

アンガールズ
おじさんをストーカーしていた男。
これもいいネタ。一個前のネタもそうですけど、アンガールズのネタに頭のおかしな人は出てこない。
そのキャラが誠実に考えたことがおかしなことになっている。
日常からはみ出ていない。
普通のおじさんをただただ見続けた10年間の悲しさと面白さの同居。
単独ライブに来る人が増えると思います。

ジャングルポケット
アジト。
やっと拳銃ネタが。なに、拳銃ネタって。
この演技力と動きのキレでボケの要が「ガシャン」となるのが痛いっていうの、
バカバカしくて面白いな。
見れば見るほどみんなが間抜けに見えてくる。緊張からのだるだる緩和。
ジャンポケは三人ともお笑い能力の平均値が高くて、手抜かりも隙もない。
バカで面白くて格好いいんだよ。
でもよく考えたら、アンガールズと同点で二組とも二本目できない可能性もあったわけで
あっぶなーって思いました。

さらば青春の光
パワースポット。
岩ストラップ、売れるといいね。このネタは見るたびに精度があがっている。
一本目の居酒屋のネタもそうですが、細かなニュアンスや間合いをかなり微調整している。
そこらへんの繊細なところが、笑いに紐づけされていくことを熟知しているのが、ジャンポケとかもそうですけど、プロだなぁって思って尊敬しちゃいます。
ご本人にしたら迷惑な尊敬かもしれませんけど。
かまいたちの時に審査員から役割が逆だとコメントありましたけど、このさらばのネタも逆ですよね。
東ぶくろさんがツッコミ。それを自然にできるのもすごい。
その役にぴったりの状況とセリフと面白さを見ることのできるいいネタ。
バナナマンふたりが絶賛していたのが、私、感無量。うれしかったなぁ。
三位で残念ですけど、ついにバカ売れするんじゃないかと期待。我らが「さらば」がみんなの「さらば」になっちゃうね。
なっちゃえなっちゃえ。

かまいたち
ウェットスーツ。
濱家さんの電話で状況を1分以内に説明する技ありのスタート。こんなん言うの恥ずかしいですけど。
どんなスタートでもいいんですよ。このコントの中心点ウエットスーツを脱がすという着地に向かって、するっと自然に始まったと思った。
きっとあれを着るまでの間に、面白いこともたくさん起こっただろうにね。
ちなみににゃんこスターの始まり方も好き。「イエーイ!僕はなわとび大好き少年だよー!」コントの醍醐味ですよね。
最初の大きめの独り言。面白こと始まるぞーって気がする。
漫才で言う最後の言葉に通ずる、「コントの一言目は何か」集をめようかしら。
そんなことより、ツッコミのワードも素晴らしくてコメントにないやつだと、
「こうなるタイプの店員か。一番使えない」が好きです。優勝にふさわしいバカバカしくて面白いネタ。

にゃんこスター
フラフープの神様。
こんなに二本目のネタが始まるのにワクワクしたことない。
もう一回同じネタでもよかったくらいなので、似た感じで始まってうれしかったなぁ。
松ちゃんの笑っている顔がすぐに映るんだけど、あのカットも良かったし、
3助さんのツッコミがアップになるアングルも
かなりこのネタ好きな演出の人がいたんだなって思いました。
会場全部がにゃんこスターを待ってた空気もよかったですよね。一本目より笑いが早く来てさ。
チョコプラのよしログで言っていたのですが、
あのオチ、普通、番組側が気に入らないならばカットするように言われるところだと。
それが許可されたということは、あのままのにゃんこスターを期待されて決勝にあげたんだろうと
言っていました。そして見事に期待に応えたんですね。
すばらしい2位。

とっても楽しかった今年のキングオブコント
つまんないとか言っている人はかわいそうですね。
賞レースと銘打っているけど、だれもこっちに審査を頼んでないのだから、こっちは審査も含めて楽しむ以外にすることはない。
審査するように頼まれた人がどんな人でも「そういう所作か」と見てやればいいのです。
エンターテインメントすべてが楽しむためにできているのに、
つまらないところ探しに行くって、さみしい発想だよ。
笑いに点数なんてつけられないんだから、そもそも!
(毎年言うけど!)


お笑いという大きな文化の中の重要な一要素として、私の中でキングオブコントは位置していて、今年で10年目。
個人的にはキングオブコント優勝者をもっと売る努力をすれば、大会が、大きく崇高になると思いますけどね。
R-1も同様。やりっぱなしじゃん。
誰かが責任もって、売り出す努力まで考えればいいかなぁ。THE MANZAIとR-1は冠番組があったりもしたか。
一応、何とかしようとしている人はいるか。
なんてね。悪くなっていないから、そこはいいですし、
毎年かっこいい芸人さんがお笑いファンを熱くさせてくれます。
ありがたいです。みんな売れますように。